taira_natsuki
読書 ねこ

コバルトポリオキソメタレート錯体を触媒とする酸素発生反応の速度論的研究


天然において植物が行っている光合成を模倣した「人工光合成」では、光エネルギーを化学エネルギーに変換することで有用生成物を得ることを目的とする。 この反応では水を原料として電子を取り出す酸素発生反応(2H2O → O2 + 4H+ + 4e-)が不可欠であり、 人工光合成の実現において高活性かつ高耐久な分子性酸素発生触媒の開発は極めて重要である。 これまでに有機配位子を含む酸素発生触媒が多数報告されているが、その安定性に不安を抱えている。 これを受けて、炭素原子を含まないポリオキソメタレート錯体が近年注目されている。 当研究室は、以前光酸素発生系において、コバルトポリオキソメタレート錯体が高い触媒活性を示すことを報告したが、その反応機構は依然未解明のままである。 そこで、本研究では分光学的ストップトフロー法を用いてコバルトポリオキソメタレート錯体の酸素発生触媒反応を追跡し、その反応機構を明らかにすることを目的に研究を行っている。