無機反応化学研究室

Laboratory of Inorganic Reaction Chemistry in Kyushu University

研究内容

 SiとAlは私達の足下にある地殻に2番目と3番目に多い元素です。  この豊富さにも関わらず,これらの基礎化学は十分に研究されているとは言えません。  当研究室では,この2つの元素が関係する反応を多面的に研究しています。  また、金属酸化物への貴金属の吸着に関する実験を行っています。

(1)ケイ酸の地球科学・材料化学

 温泉水や地熱熱水からアルミニウムを含むケイ酸質沈殿物が生成します。  また,ケイ酸は種々の金属イオンや陰イオンと錯体を形成します。  天然水中でのケイ酸が関わる反応を追跡し,そのメカニズムを  明らかにするための研究をしています。また、  沈殿物への微量元素の取り込み機構の研究にも取り組んでいます。  自然界で起こっている反応を機能性材料などの開発に応用することも視野に入れています。

(2)ケイ素の生化学

 ケイ素は必須元素に含まれていますが,生命活動との関連については  全くと言っていいほど分かっていません。  多量のケイ酸を必要とする植物中のケイ酸の挙動を研究しています。

(3)アルミニウムの環境化学

 酸性雨が降ることにより土壌からアルミニウムが溶出しています。  これは植物にとって毒性を示しますが,毒性の強さは存在状態により  異なります。その溶出したアルミニウムの化学種を決定し,毒性との関連に  ついて研究しています。

(4)貴金属の金属酸化物への吸着の化学

 金属酸化物に金(III)イオンを吸着させると、金属酸化物表面で金(0)に  還元されることがわかりました。この金(III)イオンの自動還元反応が  なぜ起きるのかという問題の解明に取り組んでいます。